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メール到達率を上げる方法|SPF/DKIM設定ガイド【2026年版】

メルマガを週1回、500人に送り始めて3ヶ月。開封率が7%から動かない。「件名が悪いのか」と10パターン試したが変わらない——原因を調べたら、送ったメールの4割が迷惑メールフォルダに入っていた。そもそも受信トレイに届いていなかった。SPFもDKIMも未設定。そんなフリーランスのWebデザイナーが、DNS設定を30分で済ませた翌週から開封率が19%に跳ね上がった。

メールの到達率は「郵便の住所」と「差出人の身分証明」に似ている。住所が正しくても(メールアドレスが有効でも)、差出人が身分証を持っていなければ(SPF/DKIMが未設定なら)、門番(受信サーバー)に怪しまれて裏口(迷惑メールフォルダ)に回される。身分証を提示すれば、正面玄関(受信トレイ)から堂々と入れる。

到達率の業界平均は85〜90%。SPF+DKIMを設定すると95%前後に上がる。DMARC追加で97%以上も可能。設定にかかる時間は30分〜1時間。費用はゼロ(DNSレコードの追加は無料)。開封率を上げたいなら、件名テストよりも先にSPF/DKIMを確認する方が即効性がある。

この記事では、メールが迷惑メールに入る仕組みと、SPF・DKIM・DMARCの設定手順を解説する。マヤがMailerLite・Kit・Brevoの各公式ヘルプとGmailの送信者ガイドラインを2026年5月時点で付き合わせ、個人事業主が最低限やるべき設定を整理した。

メールが迷惑メールに入る5つの原因

原因影響度対策
SPF/DKIMが未設定★★★DNSにレコードを追加(本記事で解説)
送信ドメインの評判(レピュテーション)が低い★★★独自ドメインの利用+段階的に送信量を増やす
無効なアドレスへの送信(バウンス率が高い)★★☆リストクリーニング(3ヶ月ごと)
スパムワードの多用★★☆「無料」「今すぐ」「限定」の過剰使用を避ける
HTML構造の問題(画像だけ・リンクだらけ)★☆☆テキストとHTMLのバランスを取る

この5つのうち、最も即効性があるのがSPF/DKIMの設定。これだけで到達率が5〜15ポイント改善するケースが多い。

SPFの仕組みと設定方法

SPF(Sender Policy Framework)とは:「このドメインからのメールは、このサーバーから送信されます」とDNSに宣言する仕組み。受信サーバーはメールを受け取ったときにSPFレコードを参照し、正規のサーバーから送信されたかどうかを確認する。

設定手順

  1. メール配信ツールの管理画面でSPFレコードの値を確認する
    • MailerLite:Settings → Domains → Authenticate → SPFレコードが表示される
    • Kit:Settings → Email → 独自ドメイン認証 → SPFレコードが表示される
    • Brevo:Settings → Senders, Domains & Dedicated IPs → SPFレコードが表示される
  2. ドメイン管理画面(お名前.com、ムームードメイン、Xserver等)にログインする
  3. DNS設定画面を開く
  4. TXTレコードを追加する
    • ホスト名:@(空欄の場合もある)
    • 種別:TXT
    • 値:配信ツールが指定した文字列(例:v=spf1 include:_spf.mailerlite.com ~all)
  5. 保存して反映を待つ(通常15分〜24時間)

既にSPFレコードがある場合:1つのドメインにSPFレコードは1つだけ。複数の配信サービスを使っている場合は、既存のレコードにinclude:を追記する。例:v=spf1 include:_spf.google.com include:_spf.mailerlite.com ~all

DKIMの仕組みと設定方法

DKIM(DomainKeys Identified Mail)とは:送信メールに電子署名を付与し、途中で改ざんされていないことを証明する仕組み。受信サーバーは署名を検証し、正当な送信者からの未改ざんメールであることを確認する。

設定手順

  1. 配信ツールの管理画面でDKIMレコードの値を確認する
    • MailerLite:Settings → Domains → Authenticate → DKIMのCNAMEまたはTXTレコードが表示される
    • Kit:Settings → Email → 独自ドメイン認証 → DKIMレコードが表示される
    • Brevo:Settings → Senders → DKIMレコードが表示される
  2. ドメイン管理画面のDNS設定を開く
  3. 指定されたレコードを追加する(CNAMEまたはTXTレコード)
    • ホスト名:ツールが指定したサブドメイン(例:ml._domainkey)
    • 種別:CNAME または TXT
    • 値:ツールが指定した文字列
  4. 保存して反映を待つ
  5. 配信ツールの管理画面で「認証を確認」ボタンを押す

DKIMのレコード値は長い文字列になることが多い。コピー&ペースト時に余計なスペースや改行が入らないように注意する。

DMARC — SPFとDKIMの「まとめ役」

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)とは:SPFとDKIMの検証結果に基づき、認証に失敗したメールの処理方法を受信サーバーに指示する仕組み。さらに、認証結果のレポートを受け取れる。

設定手順(最小構成)

  1. ドメイン管理画面のDNS設定を開く
  2. TXTレコードを追加する
    • ホスト名:_dmarc
    • 種別:TXT
    • 値:v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc-reports@your-domain.com
  3. 保存して反映を待つ

policyの選択肢

ポリシー意味推奨段階
p=none認証失敗してもメールを配信する(レポートだけ受け取る)初期設定(まずはこれ)
p=quarantine認証失敗したメールを迷惑メールフォルダに入れるSPF/DKIM確認後
p=reject認証失敗したメールを拒否する(届けない)運用が安定した後

最初はp=noneで始め、2〜4週間レポートを確認して問題がなければp=quarantineに移行する。

独自ドメインで送信する理由

メール配信ツールを無料プランで使うと、送信元が共有ドメイン(例:@subscribers.mailerlite.com)になることがある。共有ドメインには以下のリスクがある。

独自ドメイン(年額1,000〜2,000円程度)を設定すれば、送信元が@your-business.comになり、レピュテーションは自分だけの実績で評価される。到達率の安定に直結する投資。

リストクリーニング — 到達率を維持する定期メンテナンス

メールリストは時間が経つと「腐る」。退職でメールアドレスが無効になる、フリーメールが放置される、登録したことを忘れて開封しなくなる。こうした非アクティブなアドレスに送り続けると、バウンス率と苦情率が上がり、ドメインのレピュテーションが下がる。

3ヶ月ごとのリストクリーニング手順

  1. 非アクティブ読者を特定:過去90日間に一度も開封していない読者をセグメントで抽出する
  2. リエンゲージメントメールを送る:「まだメルマガを読みたいですか?」という再確認メール。リンクをクリックした人だけ残す
  3. 反応なしの読者を削除:リエンゲージメントメールから7日間反応がなければ、リストから削除する
  4. ハードバウンスを即座に削除:「メールアドレスが存在しない」のハードバウンスは、発生次第リストから自動削除する設定にしておく(多くの配信ツールは初期設定で自動削除)

リストが500人から350人に減ったとしても、到達率と開封率は上がる。「読まない500人」より「読む350人」の方がビジネスに貢献する。

Gmailの送信者ガイドライン(2024年〜)への対応

2024年2月、Gmailは大量送信者向けのガイドラインを厳格化した。1日5,000通以上の送信者にはSPF・DKIM・DMARCの設定が必須。個人事業主で1日5,000通に達する人は少ないが、以下の対応は全ての送信者に推奨されている。

要件対応方法配信ツールの対応状況
SPF/DKIM認証本記事の手順で設定全ツールで案内あり
DMARCレコードp=noneでOKツール側は不要(DNS側)
ワンクリック配信停止List-Unsubscribeヘッダーの実装MailerLite/Kit/Brevo:標準搭載
スパム苦情率0.3%未満リストクリーニング+適切な配信頻度ダッシュボードで監視可能
TLS暗号化送信時の暗号化全ツールで標準対応

よくある失敗3つ

1. SPFを設定したつもりが「複数レコード」でエラーになっている

1つのドメインにSPFレコードを2つ以上作ってしまうケース。SPFレコードは1つに統合する必要がある。Google WorkspaceとMailerLiteを両方使うなら、v=spf1 include:_spf.google.com include:_spf.mailerlite.com ~allのように1行にまとめる。

2. DKIMのレコード値をコピーミスする

DKIMの値は100文字以上の長い文字列になることがある。コピー時に末尾が切れたり、改行が入ったりすると認証に失敗する。貼り付け後に配信ツールの「認証を確認」ボタンで必ず検証すること。

3. 設定だけして到達率を監視しない

SPF/DKIMを設定した後も、月1回はバウンス率・苦情率・到達率をダッシュボードで確認する。数値が急に悪化した場合は、リストに問題があるか、メール内容がスパムフィルターに引っかかっている可能性がある。

まとめ — マヤ私見

メルマガの到達率は「送る内容」よりも「送る土台」で決まる。SPF/DKIM/DMARCの設定は30分の作業だが、この30分を省略したせいで、毎週のメルマガの4割が読者に届かないまま消えている——そんなケースが少なくない。件名を何パターンもテストする前に、まずDNS設定を確認する方が成果は早い。

マヤの所感としては、メルマガを始めた初日にSPFとDKIMを設定してしまうのが一番ラクだ。後から設定すると「今まで届いていなかったのか」と気づいて凹む。MailerLiteもKitもBrevoも、管理画面にレコードの値が表示されている。それをコピーしてDNS設定に貼る。それだけ。プログラミングの知識はいらない。DNS設定画面を開いたことがない人でも、ドメイン管理会社のヘルプを読みながら15分で終わる。この15分がメルマガの成果を根本から変える。

関連記事:

よくある質問(FAQ)

メールの到達率とは何ですか?

到達率(Deliverability Rate)は、送信したメールが受信者の受信トレイに実際に届いた割合です。送信数100通のうち95通が受信トレイに届けば到達率95%。残り5通は迷惑メールフォルダに入るか、サーバーに拒否(バウンス)されています。開封率が低い原因の多くは、実はメールが受信トレイに届いていないことにあります。

SPF・DKIM・DMARCとは何ですか?

3つともメールの送信元を証明するための認証技術です。SPF(Sender Policy Framework)は「このドメインからのメールはこのサーバーから送る」と宣言する仕組み。DKIM(DomainKeys Identified Mail)は送信メールに電子署名を付け、改ざんされていないことを証明します。DMARC(Domain-based Message Authentication)はSPFとDKIMの検証結果に基づき、不正メールの扱い方を指定します。3つセットで設定することで到達率が大幅に改善します。

SPF/DKIMの設定は難しいですか?

ドメインのDNS設定画面にレコードをコピー&ペーストする作業です。プログラミングの知識は不要。MailerLite・Kit・Brevoなどの主要配信ツールは、設定すべきレコードの値を管理画面に表示してくれるので、それをドメイン管理画面(お名前.com、ムームードメインなど)のDNS設定に貼り付けるだけです。所要時間は15〜30分程度です。

独自ドメインを使わないとメールは届きませんか?

届きますが、到達率が下がります。配信ツールの共有ドメインで送ると、同じドメインを使う他ユーザーの迷惑メール送信の影響を受ける可能性があります。独自ドメインを設定すれば、自分の送信実績だけで評価されるため到達率が安定します。月額$0〜15の独自ドメインで解決できる問題なので、早めに設定することを推奨します。

リストクリーニングはどのくらいの頻度で行うべきですか?

3ヶ月に1回が目安です。過去90日間一度も開封していない読者にリエンゲージメントメールを送り、それでも反応がなければリストから削除します。リストが小さくなることを恐れず、反応する読者だけを残す方が到達率も開封率も上がります。

Gmailの新しい送信者ガイドライン(2024年)にはどう対応すればいいですか?

2024年2月以降、Gmailは大量送信者にSPF・DKIM・DMARCの設定を必須化しました。個人事業主で1日5,000通に達する人は少ないですが、将来の成長を見据えて今から3つとも設定しておくことを推奨します。また、ワンクリックでの配信停止への対応も求められています。主要配信ツール(MailerLite/Kit/Brevo等)は既にこの機能を標準搭載しています。

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この記事について
運営者:マヤ
情報ソース:MailerLite / Kit / Brevo 各公式ヘルプ、Gmail送信者ガイドライン(2024年2月改定)
最終更新日:2026-05-18